バヌアツの国体は隔年に各州の持ち回りで開催される。第5回大会は本年8月の最終週に北中部のアンバエ島で開かれた。最貧国の一つに数えられる人口20万の小国が、63の島々から選手達を一堂に集めるだけでも大変なエネルギーが要る筈である。どんな大会になるのか興味が湧き、同島でマラリア防疫に取り組むK君を頼って2泊3日で見物に出かけた。

正直に言って「村の運動会程度だろう」と思って出かけたのだが、本大会の為に原野を切り開いて造成した会場はそれなりに立派だったし、何よりも選手達のレベルの高さと審判員の品格に感服した。小生はスポーツの知識に乏しいが、例えば、男子400mリレーが42秒台というのは、雑草のグランドと裸足の選手の記録としては十分に立派と言えるのではないだろうか。サッカーも太平洋地区ではオーストラリアに次ぐ実力ありとの噂も本当だと思わされた。大会運営は、秒単位で厳密に進行させる日本方式とは異質のものであるにしても、ビジネスもこの調子でやれば、バヌアツ経済の将来も十分に期待できると思わせるに十分であった。

近くの高校の寮を開放した選手村や、各州が設営した選手食堂の様子などは、今の日本人から見れば貧弱に見えるかもしれない。だが、何よりも貴重なものは、若い選手達のファイトとフェアプレイの精神、チームプレイへの献身であろう。審判員のキビキビしたジャッジや動作もサマになっていて、重ねて言うが、これらの資質を是非ビジネスの世界でも活かして欲しいと思った次第である。

第5回国体の公式ロゴ 参加7チーム(5州+首都ポートビラ+副首都ルーガンビル)の旗に加えてFIFA(国際サッカー連盟)旗も掲揚。
男子1600mリレーのスタート ゴール
女子400mリレー、裸足の選手が疾走する。  陸上の表彰式
メダル授与はタムタムのリズムに乗って。 女子バレー
ビーチバレー。この競技だけは白人女性が審判をしたが、他の審判員は全てバヌアツ人。 男子バスケットボール。
フットサル。 球技ではこの他にネットボール(女子)も行われた。 サッカー開始時間の2時間前から準備運動が始まる。
競技開始前の一連の行事はFIFA公式戦と同じ。写真撮影の選手団。 サッカーのスピード感や迫力はワールドカップと少しも違わない。
  ボールボーイ(と呼ぶのだろうか)は空き時間になるとすぐ練習を始める。
少年がボール代わりに蹴っているのはミカン。 夜になると格闘技が始まる。「カラテ」。 
バヌアツには200人のアマチュアボクサーがいて、国際試合に出る選手もいる。 バヌアツ美人の出番もある。(夜の会場は4本の蛍光灯が照らし出すだけで、写真撮影には厳しい)。 
バレーボールのスコアボード。 のんびりした見物風景。
競技開始前の一連の行事はFIFA公式戦と同じ。写真撮影の選手団。 家族経営の食堂では歩き始めたばかりの子供も手伝う。
 
バヌアツのHIV感染者は極少数だが、AIDS予防キャンペーンは体育大会のテーマの一つ(救護所で)。