郷里の旧友が「生涯野球大会」の世話役をしている。昨今話題の「後期高齢者」が全国各地から集まり、2日間にわたり熱戦を繰りひろげると聞き、好奇心が湧いた。小生はスポーツ競技を撮った経験はないが、老人の草野球大会なら未熟なウデでも追いかけられるのではないか、などと失礼なタカをくくり、会場の長野県上田市と周辺のグランドに出動した。行って驚いた。

「おとうさんの甲子園」のサブタイトルが付くこの大会、今年は20回目で、参加は175チーム、3,764名(!)。選手の大半が還暦以降で、最年長は88歳。全員が「古希」以上のチームも多い。75歳のエース投手もいれば、DHでヒットを打ち、懸命に走塁する半身不随の選手もいる。カッコ良いユニフォームに身を固めた選手たちは、珍プレー続出を予想してカメラを向けた小生の期待を完全に裏切った。レンズの向こうには、本気を出して戦う選手たちの凛々しいプレイ、しかも、勝ち負けを超えて心から野球を楽しむ姿があった。「後期高齢者」などという無礼な呼び方は、即刻やめましょう

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開会式

開会式は大会1日目のゲーム終了後。というのも、参加175チームは、6月7日午前中から長野県北部、東部各地の50のグランドに分かれて熱戦を繰りひろげ、2試合を終えてから、開会式が行われる中央会場の県営上田球場に駆け付けるのである。開会式に参加した選手は1000名程だったので、試合後は旅館に直行→温泉・ビール!の選手も多かったに違いない。その辺の臨機応変さは、人生経験豊かなシニアならでは。

地元ガールスカウトの先導で入場行進。
隊列が多少乱れても気にしない。
団名に「古希」を冠したチームも多い。
野球漫画作家の水島新司氏は自チーム「あぶさん」を率いて参加
連続出場チームの表彰。
ネット裏から。

力投・快打・好守

試合は50面のグランドに割り振られた3チームが3試合して、全試合に勝つと「優勝」。「古希」チームとなると「矢のような送球」は無理にしても、ランニングホームランも出るし、併殺もある。写真にあるように少年野球のような一途なプレーぶりだが、三振やエラーを責めないところが「生涯野球」らしい。

 
 


だから、やめられない!

野球はゴルフなどよりもよほど総合的に高い運動能力を要するし、しかもチームプレイが鍵である。高齢者にとって好都合なスポーツとは言い難いが、それだけに、半身不随になっても止められない面白さがあるに違いない。

決勝打に仲間の祝福。
ちょっと疲れた。
試合終了。 
帽子を脱ぐと、やっと年齢がわかる。
ユニフォームを脱いだベテランも、投球練習の相手やバットボーイでチームに貢献。
ビールが待ち遠しい!