ニュージーランド(NZ) 山歩き三昧      2006・4・30

バヌアツでのボランテイア暮らしも残り6ヶ月になり、業務の目処もついたので、4週間の長期休暇をもらい、長年の夢だったNZの山歩きをすることにした。夏の盛りを過ぎたとは言え汗だくのバヌアツから、初秋のNZへは3時間のフライトである。出発直前まで悩まされてたヒザ痛も、念力が効いたのかウソのようにピタリと止まった。

ネット環境の整わないバヌアツからの情報集めや予約アレンジには少々イライラさせられたが、1年前から満員になると聞いていたミルフォード トラックやルートバーン トラックのトレッキングも予約が取れた。移動はレンタカー、宿所も要所以外は行き当たりバッタリで行くことにした。連れ合いとはNZで現地集合である。

バヌアツでは今も8割の家庭に電気がない。我々外国人は局所的な「西欧環境」の中で生活しているものの、溢れるばかりの物質文明に慣らされた身には、何かにつけて不便感が先にたつ。粗悪品を平気で売りつけ、「サンキュー」も言わないバヌアツ華商の仏頂面にハラの立つことも多い。そんな環境から、突然日本食品まで勢ぞろいのスーパーに入ると、不覚にも目が回る。心のこもった親切さが滲み出る店員の接客態度にも心が和む。

NZは賃金も物価も日本並みに高いので、質の高い(人手とお金のかかった)サービスには、当然高いお金を払うことになる。折角の旅なので我々は「中の上クラス」を基本としたが、「超特上」もあるし、「中」、「並」もある。宿はキッチン付が基本なので、自炊すれば食費が節約できるし、学生などお金のない旅行者用の相部屋の宿や、キャンピングカーの旅行をサポートする施設もいたるところにある。文字通り「予算に応じた旅」が可能なのである。NZのビジネスの基本ポリシーは、「お客の負担能力に応じて、多様で質の高いサービスを提供しよう」、ということのように感じられる。

ルートバーンとミルフォードではガイド付ツアーに参加した。料金はビックリするほど高いが、専用の「山荘」を持ち、質の良い食事を提供する。ガイドも「接客」をわきまえた人たちばかりで、本当に気持ちがよい。このシステムについては別ページをご覧いただきたいが、日本の登山ツアーとは全く別格のものである。同ルートには別に環境省が所有・管理する「素泊小屋」がある。予約確保の上3000円相当の前売りチケットを要するが、定員厳守で、水道、水洗トイレ、LPGコンロがあり、二段ベッドには厚いマットも敷かれている。小生が覗いた小屋はどれもゴミ一つ落ちていなかった。

主要輸出産品だった羊毛が衰退し、今のNZの経済を支えるのは観光関連ビジネスだという。我々も4週間の旅行で様々な国々からの旅行者達に出会ったが、目下急増中の韓国や中国の団体旅行には行儀の悪いグループも目に付いた。日本人も四半世紀前の海外旅行ブームの頃は「田舎丸出し」だったので、彼等も何れ洗練されてゆくと信ずるが、マナーをわきまえた白人旅行者との対比では違和感を禁じえず、同じ東洋人として少し恥ずかしい思いもする。

NZを旅して感じたことは、NZは要するに「人と自然にやさしい文明国」である。バヌアツの浮世離れした素朴さと人間と自然との共生あり方には、過度の文明化への反省を迫るものがあるが、我々はもうあの素朴さに戻れないし、彼等もそこに留まることはない。NZは高度な成熟段階にある文明国だが、小生が感じた限りでは、ギスギスした過度の競争社会になることを避け、自然破壊にもしっかりブレーキがかかっている。そういう国もあるのだということを知っただけで、21世紀の人類に希望をつなげることが出来そうな気もするのである。

つまらぬ談義はともかく、ルートバーン、ミルフォード、クック、トンガリロの山歩きや、その他のNZの風物を、下記の特集ページでご覧いただきたい。(各特集の文字をクリックすると各ページにジャンプします。)

ルートバーン
トラック
トレッキング
ミルフォード
トラック
トレッキング
NZ最高峰
アオラキ 
(Mt. Cook)
南島
初秋から初冬へ
トンガリロ縦走 北島の風物

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